現地時間17日、UEFAヨーロッパリーグ準決勝が行われ、インテルとシャフタール・ドネツクが対戦した。
セリエA最少失点を誇る堅守インテルに対し、シャフタールはリーグ戦32試合で80得点という圧倒的な攻撃力が自慢。ともにチャンピオンズリーグのグループステージから参戦している両チームが、セビージャの待つ決勝戦への切符を懸けて相まみえた。
立ち上がりからボールを支配したのはシャフタール。70%近いボールポゼッションで自陣からビルドアップしていく。しかし、守備時には5バックになるインテルからすればボールを持たせている感覚であり、強固な守備ブロックを形成する自陣深い位置までは侵入させない。
ボールは保持できるもののシュートチャンスを作れないシャフタールとしては焦れる展開となり、状況を打開するために難しいプレーの選択を試みる場面が増えていく。そうなれば必然的にミスも増え、カウンターを狙うインテルからすれば好都合に。迎えた19分、GKピヤトフからのパスを奪ったバレーラが右サイドを抜け出し、ゴール前にクロスを入れる。これをファーサイドのラウタロ・マルティネスが頭で合わせ、守勢に回っていたインテルが先制する。
まさに狙い通りの形から先制に成功したインテルは26分、ガリアルディーニの左クロスはニアサイドのL・マルティネスには合わないが、その後ろでルカクとダンブロージオが飛び込む。完全に崩した格好となったが、お互いに被ってしまい、追加点のチャンスを逸してしまう。
追いつきたいシャフタールは30分、左サイドからの大きなサイドチェンジをエリア内右に走り込んだドドが受けて折り返す。ゴール前でモラエスが合わせるも、これはDFにブロックされCKへ。これがシャフタールにとってようやく最初のシュートチャンスとなった。
その後もボールを持たれながらも堅守からの速攻をベースに試合の主導権を握るインテルは34分、ルカクのバックヘッドに抜け出したバレーラがエリア内右からボレーで捉える。これが枠に飛ぶも、GKピヤトフがしっかりと反応。インテルが1点をリードしたまま試合を折り返した。
後半に入っても、ボールを保持するシャフタールに対し、組織で守ってカウンターを狙うインテルという構図は変わらず。48分には、高い位置でボールを奪ったL・マルティネスがすかさずループシュートを選択。しかし、これは前目のポジションを取っていたGKピヤトフが精一杯のジャンプでかろうじて触り、ゴール左へと外れる。
シャフタールは62分、マトヴィエンコの左クロスを、デ・フライとバストーニの間に入ったモラエスが頭で合わせる。しかし、至近距離でのヘディングはGKハンダノヴィッチの正面。シャフタールにとってこの試合初となる枠内シュートの決定機を生かすことができない。
すると直後の64分、ブロゾヴィッチの右CKを、ファーサイドで競り合うルカクの後ろで合わせたダンブロージオのヘディングがゴール右へと決まり、インテルが大きな追加点を挙げる。
66分にアシュリー・ヤングを下げてビラーギを投入したインテルは72分、高い位置でボールを奪い、クサビのパスを受けたL・マルティネスとスイッチしたルカクが左足でシュート。しかし、これはコースが甘くGKピヤトフがキャッチする。
続く74分には、高い位置でブロゾヴィッチがボールを奪い、前線で受けたL・マルティネスがゴール右へと流し込む。お手本のようなショートカウンターにより、インテルが試合を決定付ける3点目を挙げた。
78分にもペナルティーエリア手前でインターセプトしたL・マルティネスが丁寧なスルーパスをエリア内右に送る。半身で受けたルカクがゴール左へと流し込み、またしてもショートカウンターからダメ押しとなる4点目を挙げた。
試合を決定付けたインテルは81分、2ゴール1アシストの活躍を見せたL・マルティネスと1ゴールのダンブロージオを下げてエリクセンとモーゼスを投入。83分には中盤でボールを奪い、最前線でクサビを受けたルカクが反転してトップスピードのドリブルでDFを引き剥がす。そのまま右足でGKピヤトフの股を抜くシュートを沈め、5-0と大きくリードを広げた。
あとはケガと警告に気を付ければいいインテルは85分、ルカクとブロゾヴィッチを下げてエスポージトとセンシを投入し試合を終わらせる。それぞれ盾と矛が自慢の両者だったが、終わってみればカウンターとセットプレーから大量5ゴールを奪ったインテルが守備でもシャフタールの攻撃陣を完封し、セビージャの待つ決勝戦へと駒を進めた。
■試合結果
インテル 5-0 シャフタール
■得点者
インテル:L・マルティネス(19分、74分)、ダンブロージオ(64分)、ルカク(78分、83分)