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「スタメン全員海外組」となる中、アジアカップで国内組が見せた可能性

2019年2月9日(土) 3:12 

 

■選手たちの国際経験が森保ジャパンの力

「多くの選手が欧州でプレーするようになり、その精神的成長はプラスだと考えている」

キャプテン・吉田麻也(サウサンプトン)はそう強調した。豊富な国際経験が森保ジャパンの大きな力になっているのは紛れもない事実だ。

1月9日のグループステージ初戦・トルクメニスタン戦から2月1日の決勝・カタール戦まで計7試合。海外組が主となる傍らで、国内組はベンチを温める機会が多かった。その中で5試合に出場した22歳のFW北川航也(清水エスパルス)は時間を追うごとに力を発揮するようになり、準決勝・イラン戦で73分からピッチに立った室屋成(FC東京)もクローザーとして的確な働きを見せた。決勝トーナメント進出を決め、先発メンバーが大幅入れ替えとなったGS第3節・ウズベキスタン戦では7名のJリーグ組が躍動。この試合には、大会後海外移籍が決まった伊東純也(柏レイソル→ゲンク)も先発に名を連ね、グループ1位通過に貢献している。

結果として、腰の負傷で出番に恵まれなかった東口順昭(ガンバ大阪)を除く国内組全員が戦力としてピッチに立ち、持てる力を注いだからこそ日本は頂点にあと一歩まで迫ることができたとも言える。海外組ももともとはJリーグで育ってきた。日本代表はやはりJに支えられているのだ。そこであらためて今大会の国内組を個々に振り返ってみたい。

■「サコくんのように…」。大きな刺激を受けて

FW北川航也(清水エスパルス)5試合出場

初戦は交代出場。その後、絶対的1トップ・大迫勇也(ブレーメン)の右でん部負傷の影響もあり、第2節・オマーン戦、第3節・ウズベキスタン戦、準々決勝・ベトナム戦と3試合も先発に名を連ねた。それは森保監督の「大きく成長してほしい」という期待に他ならなかった。

当初は重圧からか動きが硬かったが、「若手が伸び伸びプレーできないのはベテランの責任」という長友らのサポートを受けて、次第にスムーズにプレーできるようになった。ゴール前への侵入回数や決定機の数も目に見えて増えてきた。が、残念ながらノーゴールでUAEを去ることになった。準決勝・イラン戦からスタメン復帰した大迫のプレーを見て「自分がこの先、ストライカーとして大きくなるためには、サコくんのようにボールを収めたり時間を作る仕事が必要」だとしみじみ語っている。その課題に取り組む場所はJリーグしかない。

★清水試合予定-J1第1節2/23(土) 14:00 vs広島(Eスタ)【中継】DAZN



■無念の途中離脱も、影響は大きかった

MF青山敏弘(サンフレッチェ広島)アジアカップ1試合出場

ウズベキスタン戦ではキャプテンマークを巻き、広島時代の盟友・塩谷と初めてボランチを組むと、得意の縦パスでチャンスを数多く作った。決勝トーナメントは柴崎岳(ヘタフェ)と併用されると見られたが、古傷の右ひざを痛めてしまい、ラウンド16サウジアラビア戦後に無念の離脱を余儀なくされた。

「この試合が自分にとっての決勝戦」という大一番を前にした青山の言葉がチーム全体に響き、日本はボール支配率23.7%という大苦戦をしのいでサウジアラビアに勝ち切った。恩師・森保監督の片腕として本人は最後までチームに残りたかったに違いないが、まずはケガを直して万全の状態に戻ることが先決だ。32歳の最年長ボランチが再び代表の舞台で躍動する姿が待ち遠しい。

★広島試合予定-J1第1節2/23(土) 14:00 vs 清水(Eスタ)【中継】DAZN

■国内組の中で大きなインパクトを残す

DF室屋成(FC東京)アジアカップ2試合出場

出番自体はGS第3節・ウズベキスタン戦での先発と、準決勝・イラン戦の途中出場2試合だけだったが、国内組の中でより大きなインパクトを残したのが室屋だろう。

前者では縦関係に位置した伊東純也と右サイドで“槍コンビ”を形成、凄まじい縦への推進力を示した。相手守備陣を翻弄するともに、武藤嘉紀(ニューカッスル)の同点弾をアシスト。塩谷司(アルアイン)の逆転弾の起点になるパス出しもみせた。そしてイラン戦でも負傷交代した酒井宏樹(マルセイユ)に代わって攻守両面で安定感を披露。一触即発の雰囲気になった終盤も「ああいう時はひるんじゃいけない」と強気の一面をアピールした。酒井宏樹も「成(セイ)は十分やれる」と太鼓判を押すほどの仕事ぶりで、右サイドバック競争が加速しそうな勢いを感じさせた。

★FC東京試合予定-J1第1節2/23(土) 14:00 vs 川崎F(等々力)【中継】DAZN/NHK総合

■チームを盛り上げ、一体感をもたらす

DF槙野智章(浦和レッズ)アジアカップ出場2試合

初戦・トルクメニスタン戦に先発出場したが、冨安健洋(シント=トロイデン)の急成長によってベンチに回った。ウズベキスタン戦ではスピード対応のミスから失点を招いている。2試合出場にとどまった本大会ではあるが、長友佑都(ガラタサライ)や乾貴士(アラべス)らとともに、つねに声を出してチームを盛り上げ、明るい雰囲気を作っていた。槙野がいたからこそチームは強固な一体感を持てたと言っても過言ではない。代表では、冨安のみならず、欧州組の昌子源(トゥールーズ)や植田直通(セルクル=ブルージュ)らもいるだけに競争は厳しいが、ベテランの意地を浦和で示すしかない。

★浦和試合予定-J1第1節2/23(土) 14:00 vs仙台(ユアスタ)【中継】DAZN/NHK仙台

■宮本監督を手本に、キャリアを重ねたい

DF三浦弦太(ガンバ大阪)アジアカップ出場1試合

森保ジャパン発足時は吉田の相棒候補一番手と目されていた三浦。しかし、冨安の短期間での急成長もあって、今大会はウズベキスタン戦1試合の出場にとどまった。この一戦でも失点に絡んでしまうなど、ホロ苦い結果となったが、彼のA代表キャリアはまだ始まったばかり。G大阪の指揮官・宮本恒靖監督もかつて日本代表で茨の道を強いられながら2度のワールドカップに出場した。所属クラブに身近なお手本がいることは三浦にとって心強い材料のはず。Jリーグで1対1の守備やライン統率を含め、全体的に安定感を高めていくことが、彼に課された直近の指名だ。

★G大阪試合予定-J1第1節2/23(土) 15:00 vs 横浜FM(パナスタ)【中継】DAZN

■武器である競り合いの強さを打ち出す

DF佐々木翔(サンフレッチェ広島)アジアカップ1試合出場

日本代表の左サイドバックには、国際Aマッチ116試合出場の長友が君臨する。そのためどうしてもサブに回りがちだった。今大会では国内組が主となったウズベキスタン戦で、武器である競り合いの強さを前面に押し出して長友との違いを色濃くアピール。試合後、「僕もあんまり大きくないけど(176cm)、相手が5U+339D大きくても競り方次第でみんなどうにかしているし、高さの部分がウイークになるとは思わなかった」と自信をのぞかせた。

広島では、森保監督の下、ウイングバックに加え、3バックのストッパーをこなしてきた。城福監督によって左SBにコンバートされると日本代表に選出された。代表では森保監督との強固な信頼関係もある。空中戦の強さに加えて、周囲との連係や攻撃参加の部分をさらに磨いていけば、A代表での出場機会は増えていくはず。

★広島試合予定-J1第1節2/23(土) 14:00 vs 清水(Eスタ)【中継】DAZN

■自身の特徴を生かしてさらなる成長を

GKシュミット・ダニエル(ベガルタ仙台) アジアカップ1試合出場

「活躍すればヒーローだし、変なことをしたら叩かれる。それだけ注目される大会」と12月の国内合宿時に語っていたシュミット・ダニエル。今大会の出場はGS第3節・ウズベキスタン戦1試合にとどまったが、反応の良さやハイボールへの強さを見せ、勝利に大きく貢献した。本人にとっても、A代表として初の国際大会に参戦したことは大きな自信にもなっただろう。2月3日に27歳を迎えたばかり。197 cmという高さは稀有な特長であり、代表での序列を上げるためにも、仙台の失点減はもちろん、元ボランチの経験を活かし、攻撃の起点となるビルドアップにも磨きをかけたい。

★仙台試合予定-J1第1節2/23(土) 14:00 vs 浦和(ユアスタ)【中継】DAZN/NHK仙台



■大会中に負傷するも、献身的にチームを支えた

GK東口順昭(ガンバ大阪) アジアカップ0試合出場

最年長守護神は、1月13日のGS第2節・オマーン戦直前に腰を痛め、21日のラウンド16・サウジアラビア戦前まで別メニューを強いられた。ロシア・ワールドカップでは控えに甘んじたため、期するものがあったはずだが、ケガも災いして権田修一(ポルティモネンセ)の控えに甘んじた。

その悔しさをおくびにも出さず、献身的にチームを支えるのが東口という男。黙々とトレーニングに励む姿はチームに影響をもたらしたに違いない。権田が「自分が正GKだとは思っていない」と言うように、今大会を経たあとも代表の正守護神争いは拮抗している。万全な状態でJリーグで活躍すれば、十分巻き返しのチャンスはある。

★G大阪試合予定-J1第1節2/23(土) 15:00 vs 横浜FM(パナスタ)【中継】DAZN

取材・文=元川悦子


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(提供元:Goal.com

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