25日に行われたユーロ2016決勝トーナメント1回戦、クロアチア対ポルトガルの一戦は、延長戦の末にポルトガルが1-0で勝利した。
"死の山"を回避したことで上位進出が期待できるクロアチアとポルトガル。試合はやはり慎重な立ち上がりとなり、互いにリスクを冒さない。クロアチアがボールを持つ時間が長かったが、これはポルトガルが高い位置からプレスをかけてこないことも影響した。高い位置に運ぼうとしても限られた人数での突破は難しく、様子見の時間が続く。
最初のチャンスは25分。ポルトガルは左サイドの低い位置からFKを得ると、ゴール前でフリーになったペペがヘディングで合わせた。しかし、これはクロスバーの上に外れてしまう。
それでも、このプレーが呼び水となり、ポルトガルの攻撃が若干テンポアップ。プレーに緩急が生まれて、何度かチャンスになりかけるような場面をつくった。
これに呼応してクロアチアも高い位置に運ぶようになったが、ゴールを脅かすシーンはほとんどなし。結局、両者とも枠内シュートなしで前半を終えた。
後半に入って仕掛けたのはクロアチア。52分、左サイドからストリニッチがクロスを入れると、ゴール前にブロゾビッチが飛び込んだが、わずかに合わない。61分には右からのFKにビダが頭で合わせたが、ポストの左にそれた。
50分にアンドレ・ゴメスを下げて18歳のレナト・サンチェスを投入したポルトガルは、クロアチアのボールを奪ってからのロングボールで一気に打開を狙う。何度か良い場面をつくったが、いずれもシュートまで持ち込むことはできず、これもゴールにはつながらない。
後半の終盤はどちらも可能性の低い攻撃が続き、得点の予感はないまま0-0で試合は延長戦に突入した。
後半のうちに2枚目のカードを切ってクアレスマを投入していた中2日のポルトガルは、延長戦に入っても攻めきれない。クロアチアは何度かゴールに向かう意思を見せたが、最後の精度を欠いたこともあってチャンスを生かせなかった。
クロアチアは延長前半終了間際にチョルルカが足を痛めたが、延長後半もそのままプレー継続。113分にはクロアチアがCKでチャンスをつかむが、ファーサイドのビダのシュートは枠を外れた。116分には右からのクロスにペリシッチがヘディングで合わせたがポストに嫌われる。
ポルトガルはピンチの後にチャンスがやってきた。117分、カウンターを仕掛けたポルトガルは、ペナルティーエリア左に入ったナニが右前方へグラウンダーのパス。これを受けたクリスティアーノ・ロナウドがシュートを放つと、GKに弾かれたボールをクアレスマが押し込んでゴールネットを揺らした。
気持ちを切り替えて必死に反撃に出るクロアチアだったが、残された時間はあまりに少なく試合終了のホイッスル。ポルトガルが接戦を制してベスト8に進んだ。
ポルトガルは、30日の準々決勝でポーランドと対戦する。