ユーロ2016、グループステージ第1節が11日に行われ、グループBではウェールズ代表とスロバキア代表が対戦した。
58年ぶりの国際主要大会に“黄金世代”で乗り込むウェールズと、マレク・ハムシクを中心とした組織力で番狂わせを狙うスロバキア。まずチャンスを作ったのはスロバキアだった。2分、右サイドでボールを奪ったハムシクは巧みなフェイントからカットイン。GKと1対1のチャンスを迎えるが、シュートは懸命に戻ったDFのブロックに合い、ゴールならず。
すると8分、逆にウェールズが反撃に転じる。ゴール前でFKのチャンスを得ると、キッカーのギガレス・ベイルは左足を振り抜く。無回転のボールは壁を越え、GKの逆を突いてネットに吸い込まれた。ウェールズが先制する。ベイルにとってユーロ初ゴール、代表通算20ゴール目というメモリアル弾になった。なお、ウェールズとしてもユーロ本大会では初得点となっている。
その後、スロバキアは後方でボールを回してチャンスをうかがい、ウェールズは素早いプレッシングから速攻を仕掛け、一進一退の展開となる。ロスタイムにはウェールズが中盤の高い位置でボールを奪い、最後はベイルがシュートを放つが、GKに阻まれる。前半はこのまま終了し、ウェールズのリードで折り返した。
後半立ち上がりは静かな入りで、最初にチャンスを迎えたのはスロバキアだった。54分、後方からのロングフィードに右サイドのロベルト・マクが反応。中央にカットインし、シュートを放った。しかし、ゴールの枠を捉えることはできない。
一方のウェールズは56分、右サイドからジョー・アレンがクロスボールを上げると、ゴール前で待ち受けたベイルがヘディングシュートを放つ。これはGKに阻まれ、追加点とはならなかった。
すると60分、スロバキアは右サイドを突破したマクが中央にパスを送ると、途中交代で入ったばかりのオンドレイ・ドゥダが左足で流し込み、同点ゴールを決めた。
同点に追いつかれたウェールズはスロバキアに攻勢を許し、何度かピンチを招く。しかし、徐々にペースを取り戻すと、80分、縦パスを受けたアーロン・ラムジーがバイタルエリアに侵入。バランスを崩しながら懸命につなぎ、途中出場のハル・ロブソン・カヌが左足で流し込んでゴールネットを揺さぶった。再びリードを奪うことに成功する。
その後、ウェールズはスロバキアの反撃に合い、ゴールポストに救われるシーンも見られたが、なんとか振り切り終了のホイッスルを聞いた。2-1でスロバキアを下し、ユーロ本戦初出場で歴史的な1勝を挙げている。