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ジキルとハイドが見え隠れするアヤックス、強力攻撃陣はEL決勝で炸裂なるか

2017年5月12日(金) 21:13 

 


ファーストレグを4-1という快勝でものにしたアヤックスは、ヨーロッパリーグから去ることになる不安など全く持っていなかった。ピーター・ボス監督のチームは先週のリヨン戦で素晴らしいパフォーマンスを披露し、サッカーファンを魅了した。何よりスコアで明確な差をつけ、圧倒的有利な立場でセカンドレグを迎えていたのだから。

しかし一方でアムステルダムの周辺には、まだ彼らが何かを勝ち取ったわけではないという皮肉な考えを持つ人々もいた。

実際、アヤックスに不安がなかったわけではない。若く、エネルギーに溢れた攻撃陣は相手の脅威となり、4ゴールを決めてみせた。だが、守備面ではいくつかルーズな部分を露呈してしまっていた。アウェーゴールを許し、セカンドレグに向けてわずかながら相手に希望を持たせる形となっていた。

そして迎えた運命の一戦で、アヤックスは恐れを抱くことになった。81分に一点差に詰め寄られ、その3分後には数的不利な戦いを強いられることになった。最終的になんとか猛攻をしのぎきったとはいえ、ファーストレグを終えた時点でこんな大変な思いをすることになると想像した者は多くなかったはずだ。





アヤックスは自らの手で、自らの首を締めてしまった。カスパー・ドルベルクの先制点によって早々に決勝進出を確定させたかのように思われたが、若き才能たちはプレッシャーへの対処の仕方をまだ学んでいないようだった。ドルベルク、バートランド・トラオレ、ハキム・ツィエークがチャンスをつかみ、追加点が決まってもおかしくないシーンは何度もあった。しかし、決めきれずにいると、次第に試合をコントロールできなくなり、まるで散歩を始めたかのような緩慢な動きをするようになってしまった。

すると、試合のカギなるシーンがやってきた。アヤックスのマティアス・デ・リートがペナルティーエリア内でリヨンのアレクサンドル・ラカゼットを倒し、PKを与えてしまったのだ。このPKを決められると、その直後には再びラカゼットにGKアンドレ・オナナが守るゴールを破られ、あっと言う間に2点を失った。

その2つのゴールがリヨンを生き返らせ、反対にアヤックスは試合の主導権を再度握ることができなくなってしまった。



そしてラキッド・ギザールのヘディングシュートがフィエルヘフェルの膝に当たってコースが変わってアヤックスのゴールに吸い込まれたことで、事態はさらに緊迫したものとなる。フィエルヘフェルはシャルケとの準々決勝セカンドレグでMVP級の活躍をみせたが、この試合では2失点に関与し、危険な位置でFKを与え続けるなど低調な出来に終始してしまった。ピーター・ボスに、マンチェスター・ユナイテッドとの決勝戦で彼をベンチに置くという考えが頭によぎっても不思議ではないと思えるほどだった。

88分のマクスウェル・コルネの至近距離からのシュートは延長戦突入のサインかと思われたが、ゴールマウスをわずかに外れていった。この場面でもアヤックスは信じられないほど脆い守備を露呈し、ペナルティーエリア内にもかかわらず十分な時間とスペースを与えてしまっていた。

結果としてヨーロッパの大会で21年ぶりに決勝進出を果たしたものの、すべてが上手くいった試合だったとはいい難いだろう。

ただし、これこそが今のアヤックスの魅力かもしれないし、若い才能が集まるチームの宿命と言えるかもしれない。魅力的で、不安定で、大人が考えられないようなことをやってのける。良くも悪くも、若いとはそういうことだ。

ファーストレグで彼らが見せたパフォーマンスは黄金時代を彷彿とさせるものだった。前述の通り、守備面に不安が見られたとはいえ、才能に溢れかえった攻撃陣が繰り出すフットボールは観るものを魅了した。一方、セカンドレグでは信じられないほど非効率で弛緩した一面を見せてしまった。先週のアヤックスがジキルだったとしたら、リヨンにおける彼らは間違いなくハイドだった。

さて、ユナイテッドが待ち受けるファイナルでは、どちらのアヤックスが顔を覗かせるのだろうか。願わくばジキルを……黄金時代を彷彿とさせる姿を見せ、彼らのサポーターたち、オールドファンたち、そして対峙するユナイテッドのサポーターをも認めさせるような、魅力溢れるフットボールをピッチの上で披露してもらいたいところだ。

文=ピーター・マクビティ/Peter McVitie

(提供元:Goal.com

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