22日のチャンピオンズリーグ(CL)・グループF第5節、レアル・マドリーは敵地エスタディオ・ジョゼ・アルヴァラーデでのスポルティング・リスボン戦を2-1で制した。
この試合の開催地は、ポルトガルの首都リスボンである。レアル・マドリーにとっては、10年以上にわたって渇望し続けたデシマ(10回目のCL優勝)を達成した幸福の地(試合会場はベンフィカのエスタディオ・ダ・ルスだったが…)。そしてC・ロナウドにとっては、11歳から18歳までを過ごした思い出の地、そしてクラブへの帰還となった。
ジダン監督は前試合アトレティコ・マドリー戦(3-0)で見事に機能した攻撃時に4-2-3-1、守備時に4-4-2となるシステムをこの一戦でも使用。GKケイロール・ナバス、DFカルバハル、セルヒオ・ラモス(負傷から復帰)、ヴァラン、マルセロ、MFモドリッチ、コバチッチ、ルーカス・バスケス、イスコ、ベイル、そしてFWにC・ロナウドを起用した。
マドリッドダービー同様のシステムを駆使するレアル・マドリーだが、2試合目となるとやはり簡単にはいかなかった。引いて守るスポルティングの規律ある守備を容易には穿つことができず、ただボールを回すだけという時間が続くことに。それでも29分、セットプレーからスコアを動かすことに成功する。右サイドからのFK、モドリッチがペナルティーエリア中央に送ったボールをC・ロナウドが前にはたき、スポルティング守備陣の裏でそれを受けたヴァランが、倒れながら枠内に押し込んだ。
先制後、幾度かスポルティングにチャンスを許しながらも、1点リードを維持したまま試合を折り返したレアル・マドリー。後半はモドリッチとイスコの連係プレーを起点として追加点を狙うも、明確な決定機を迎えることはできず、一方でスポルティングの鋭い速攻に手を焼き続けた。そして52分には、ベイルが足首を負傷……。プレー続行不能であることを理解したジダン監督は、58分にウェールズ代表MFとの交代でアセンシオをピッチに立たせる。
64分にはコバチッチと揉め事を起こしたジョアン・ペレイラが2枚目のイエローカードで退場となり、レアル・マドリーは数的にも優位に立つ。ジダン監督は66分にイスコをベンゼマ、72分にマルセロ(後半立ち上がりに痛めた様子だった)をコエントランに代え、交代枠を使い切った。だが、その後も攻撃面における低調さは変わらず、追加点は遠いまま。すると79分、ジョエル・キャンベルが蹴ったボールから、コエントランがハンドを犯してPKを献上してしまう。キッカーのアドリエンにこのPKを決められ、スコアはタイに戻った。
試合終了まで残り10分というところでリードを失ったレアル・マドリーだが、スポルティングから簡単にはボールを奪えず、攻撃を仕掛けることもままならない状況が続く。けれども87分、ダイレクトプレーからベンゼマが劇的に勝ち越し点を獲得。最終ラインのS・ラモスがペナルティーエリアめがけて蹴ったボールから、ベンゼマがヘディングシュートでネットを揺らした。レアル・マドリーはその後、スポルティングから一縷の望みを断ち切るようにボールを回し続け、今度こそ1点リードを守り切っている。
なおグループFのもう一試合、ボルシア・ドルトムント対レギアは8-4でドルトムントが勝利。同グループの順位は1位ドルトムント(勝ち点13)、2位レアル・マドリー(勝ち点11)、3位スポルティング、4位レギア(勝ち点1)となっており、レアル・マドリーとドルトムントは最終節で首位の座をかけた直接対決に臨む。